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家庭用電源(単相100V)でも大きな容量の電気器具を使用した場合に、照明器具やテレビなどのちらつきが生じることがあります。これは、大きな容量の電気器具を運転した際に一時的に大きな電流が流れて電圧が低下したため、他の電気器具が影響を受けて不安定となったものです。単相200V仕様のポンプも家庭用電源と同じ電源を使用するため、大きな容量のポンプを使用した場合には、各家庭の電気器具に影響がでる可能性があります。
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このような影響を防止するために、内線規定(JEAC8001-2000 P396参照)では、「電灯と併用する単相誘導電動機で一般用電気工作物として施設されるものの始動電流は、電気事業者と協議した場合を除き、37A以下とすること」と規定されています。
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この内線規定に基づいて、国内ポンプメーカでは単相200V電動機は1.0kW(始動電流37A)以下で製作しており、始動電流が37Aを越える単相200V仕様ポンプは製作していません。
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このような規定のない海外メーカの単相200V仕様ポンプを使用する場合は、電動機出力が1.0kW(始動電流が37A)を越えるものについては、電気事業者との協議が必要になり、協議次第では受電を拒否される場合があります。
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内線規定上は、個別協議により大きな出力の単相仕様ポンプも選定可能とも解釈できますが、家庭からの汚水を圧送する水中ポンプは必然的に家庭に隣接して設置されるため、実質的には始動電流が37Aを越える水中ポンプを選定することは難しくなります。一般的に電動機出力が1.0kW程度では始動電流が37Aを越えてしまいますが、国内ポンプメーカでは特殊な始動回路を組み込み、始動電流を37A以下としているため、電気事業者との協議が不要となるだけでなく、他の電気器具への影響も少なくしています。 |