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異物を除去(回収)する方法の例 |
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ポンプ施設の流入部(流入管接続部)にし渣かごを取り付けて、異物を除去(回収)する方法があります。
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し渣かごの汚水通過断面(網目)を小さくすることで、異物の回収効率はアップしますが、油脂による目詰まりなど、頻繁にし渣の回収・清掃を行う必要が生じるため、設置するポンプの異物通過性能を考慮して、通過断面を決定する必要があります。し渣の回収を怠ると、単に異物が回収されないだけでなく、し渣かごをオーバフローした汚水が落下して水位計の誤動作や、ポンプ吸い込み汚水への気泡の混入など、し渣かごの設置が逆効果となる場合があるため、し渣の回収・清掃は確実に行う必要があります。
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また、し渣の回収を安全に行える装置や用地を必要とするため、道路下に設置されるマンホールポンプ施設では採用しにくい面があります。
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異物をそのまま通過させる方法の例 |
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異物通過性能の高いポンプを採用する方法があります。
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異物を回収するのではなく、ポンプ施設に流れてきた異物はそのまま下流側に流す(処理場施設の入口部で回収する)考え方であり、道路下に設置されるマンホールポンプ施設では最も多く採用されています。ただし、何でも通過できるポンプは存在せず、性状により異物の通過性に限界があります。
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通過性能を示す物差しとしては、異物通過粒径(ポンプケーシング内の物理的空間寸法)があります。ひも状の長い異物などの性状による通過性能を示す物差しは、今のところ定義されていませんが、各ポンプメーカとも異物通過性に対する改善・改良が行われています。
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異物を細かく破砕して通過させる方法の例 |
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破砕機構付のポンプを採用する方法があります。
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これも、異物を回収するのではなく下流側に流す考え方ですが、異物を細かく破砕することで配管径を小さくできるメリットがあります。ただし、何でも破砕できる機構は存在せず硬い異物は破砕できません。また、異物が槽内に多量に残らない様にトルクを大きくして直ちに破砕して排出するために破砕機構によるエネルギーロスが大きくなります。そのため、管路施設の最上流側(砂などの流入が少ない)に設置されるグラインダポンプなど小型ポンプに限定されます。 |