マンホールポンプ施設における計画流入汚水量は地下水量等を含む時間最大汚水量を示し、施設計画・設計の基本数値となります。計画流入汚水量の算定は各計画・設計指針に示されており、以下のものがあります。
 
小規模公共下水道施設(注1)
 
 計画流入汚水量は、できるだけ実測に基づいて推定する事が望ましいが、それが困難な場合は原単位方式を用います。実績によらない場合の時間最大と日最大のピーク比は1.5〜3.0倍程度を見込みます。
 
 生活汚水量、営業汚水量、工場排水量、観光汚水量、その他汚水量等の各汚水量の内、必要なものを積み上げて求めます。
 
(1) 生活汚水量
 上水道の給水量を参考にします。井戸等の自家水源の場合は使用水量の実態を調査、または近隣地区を参考にして汚水量を推定します。
 
(2) 営業汚水量
 水道の業務・営業用水量を調査し参考とします。
 
(3) 工場排水量
 個々の排水量を調査し工場排水量を見込みます。
 
(4) 観光汚水量
 宿泊、日帰り等の観光客数に応じて汚水量原単位を乗じて推定します。
 
(5) その他汚水量
 必要に応じて温泉排水、畜産排水等の汚水量を考慮します。
 
注1: 小規模下水道計画・設計・維持管理指針と解説…2004年版、日本下水道協会発行
 
農業集落排水施設(注2)
 
 農業集落排水施設設計指針では「対象人口、営農形態等により計画流入汚水量は異なるので水道の使用実績、給水計画等を総合的に検討のうえ、適切に決める事」としていますが、設計諸元として生活排水の標準値を提示しています。業務排水や畜産排水が有る場合は別途設定します。
 
(1)
 
1人1日最大汚水量=300g/人・日
 
(2) 計画時間最大汚水量=780g/人・日
【1日最大汚水量300gの2.5倍+不明水30g】
 
 計画時間最大汚水量と1人1日最大汚水量の比(ピーク係数)は2.5倍を標準としますが、地域の生活パターン等によって異なる場合もあるので、実態調査等により適切なピーク比を定めます。
 
注2: 農業集落排水施設設計指針…平成19年度改訂版、地域資源循環技術センター 発行

※本文は、雑誌「月刊下水道」に投稿した原稿を加筆修正したものである。
 
作成日:平成19年12月18日
(社)日本産業機械工業会 排水用水中ポンプシステム委員会

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