圧力式下水道収集システムは、GP(破砕機構付き小型水中汚水ポンプ)を用いた圧力管路システムであり、概要図に示すように1戸〜数戸単位に設置されたGPユニットにより、即時に収集・搬送するシステムで、各施設は以下のような機能を持っています。
圧力式下水道収集システムの概要図
詳細図(PPT)/詳細図(PDF)
 
ポンプ施設
 
 ポンプ施設は、汚水発生源から直接汚水を受け入れる施設でGPユニットと付属の電気・計装設備で構成されます。構成図に示すように各家庭などから排出された生活系排水をGPユニットに一時貯留し、水位検出によりGPの始動と停止を自動的に繰り返し運転します。GPユニットは、ポンプの予備機を共通予備として建設コストの削減を図ります。また、貯留容量が少なく即時に排出するためスカムや硫化水素が発生しにくく、予旋回槽などのスカム対策は設ける必要がないなどの機能を併せ持つなど、施設面および維持管理面でも比較的簡便なポンプ施設です。
圧力式下水道収集システムの構成図 
詳細図(PPT)/詳細図(PDF)
圧力管路

 圧力管路は、GPユニットから排出された汚水を汚水処理施設もしくは自然流下管(汚水幹線管渠)まで収集・搬送する管路施設で、GPユニットの吐出口より第一合流点までを「接続管」、その先の圧力管を「圧力本管」と称し、接続管と圧力本管および管理用の付属弁類を合わせて「圧力管路」と称します。
 
 また、圧力管路は、GPにより夾雑物が細かく破砕された汚水を搬送するため小口径(最小30mm)で流速を速くすることが可能となり、閉塞を起こしにくいことは元より維持管理を容易にし耐久性・経済性を考慮した施設です。
 
中継マンホールポンプ施設
 
 GPユニットから最終搬送地点までの距離が非常に長い場合や、高低差の大きな地形などで揚程が大きくなる場合に汚水を中継搬送する目的で設置するマンホール形式の小規模ポンプ施設で、GPの出力を小さくしたり、機種を統一して予備ポンプの台数を少なくしたりするなど、経済性・維持管理性を考慮して最も効率的な場所に設置します。

※本文は、雑誌「月刊下水道」に投稿した原稿を加筆修正したものである。
 
作成日:平成19年12月18日
(社)日本産業機械工業会 排水用水中ポンプシステム委員会

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