真空式下水道収集システムとは、図−6に示すように真空ポンプ(真空発生装置)を用いた収集システムで、家庭等から排出された汚水を真空弁ユニットに溜め、管路内に発生させた真空と大気圧との差圧により汚水を空気と混合して収集し、処理場又は自然流下管まで搬送する収集システムです。
図−6 真空式下水道収集システムの概略図
 
 
 真空式下水道収集システムは、以下の施設より構成されます。
 
(1) 真空弁ユニット
 汚水と一定の割合の空気を吸引する真空弁ユニットは、汚水発生源に隣接して設置される施設で、真空弁、コントローラ及び汚水溜まりを設けた躯体(貯水タンク)等で構成される。
 
(2) 圧力管路
 圧力管路は、汚水と空気が混合された状態で搬送する施設で、接続管と真空本管より構成され、真空弁ユニットの吐出口より第一合流点までを接続管、その先の中継ポンプ場までを真空本管という。又、圧力管路には、必要箇所に区間弁・点検口を設置する。
 
(3) 中継ポンプ場(真空ステーション)
 中継ポンプ場は、真空を発生させ、汚水を吸引し排出する施設で、真空発生装置、集水タンク設備、汚水ポンプ設備及び電気設備等から構成され、圧力管路を経て集水タンクまで収集された汚水が一定量に達すると、汚水ポンプが作動して処理場又は自然流下管まで搬送される。 

※本文は、会誌「産業機械」に投稿した原稿を加筆修正したものである。
 
作成日:平成19年12月18日
(社)日本産業機械工業会 排水用水中ポンプシステム委員会

Back PageTop Next